留学体験記STUDY ABROAD

ノーザンアリゾナ大学/末兼 希悠(留学期間:2021年8月~2022年5月)

留学生との食事の様子

私は、社会学や民族学、コミュニケーション学や英文学などを留学先で学びました。どの授業も私にとって、たくさんの新しい発見があり、考えを深めることができたと同時に各授業の内容について段々と繋がりを見つけていくことができ、「多角的視野を持つ」ということが自分の中で明確に体系化されていきました。中でもとても考えさせられた内容の一つは、約百年前にアメリカの社会学者デュ・ボイスによって定義付けられたdouble-consciousness(二重意識)という考えです。これは黒人の奴隷化がなされていた時に、黒人の人々が自分達の価値を白人の人々が自分達をどう見ているかで判断していたことを指す用語です。奴隷制度、という言葉を聞くと、権力の強い者による非人道的で残虐な行為がイメージとして湧きますが、ここではそういった行為に焦点を当てるのではなく、抑圧されていた側の黒人の人々に注目し、彼らがどう自身を認識していたかといった内側に重きを置いています。これは私の中で今までにない新しい視点でした。このdouble-consciousnessという、「他人の目を通して自分自身を見る」ことをSNSが普及した現代社会に当てはめて考えてみると、私自身を含め、誰もが一度は経験したことがあることなのではないかと思います。授業で学んだことをその場で終わらせず、様々なことに関連付けながら深めていくことを意識したことも、先程述べた、それぞれの授業の繋がりを見つけられた理由の一つでもあるかと思います。また、留学中は、大学の敷地内に住んでいたことで、思っていた以上に課題に割く時間、授業について考える時間、人と交流する時間が多くあり、大学のコミュニティが私生活のほぼ全てを占めていました。何にも邪魔されずに勉学に集中できるのは、あまり日本では経験できないことだと思うので、貴重な時間となりました。高校生のみなさん、留学も受験もなりたい自分を実現するために行動することはとってもかっこいいですし、自信に繋がるはずです。しかし、その過程では、自分の思い通りにいかないことや人と比べてしまうこともあると思います。そういう時は自分自身の持つ価値観を大切にしてください。途中で止まっても揺らいでもいいと思います。でも、最後には必ず前を向いて自分の歩幅で歩き始めてください。たくさんの良いことが待っていると思います。(2019年入学)

※内容は取材時点のものです。

モラヴィアン大学/目黒 真樹子(留学期間:2019年8月~2020年4月)

現地の学生とのニューヨークへのドライブ旅行

私はGLAP で学ぶ前から、フードバンクのシステムにとても興味を持っており、入学後は、フードバンクに関する研究をしたいと考えていました。フードバンクのシステムがなぜ日本に根付かないのか、またどのようにすれば根付くのかを学問的に解明してみたい、そのために、これを文系分野、理系分野から見てみたい、と考えた私は、GLAP の授業では文系分野の授業を、留学先では理系分野の授業を受講することを決めました。

留学先のMoravian College ではEnvironmental Studies専攻を選択しました。そこでは、環境経済学や公衆衛生学などを勉強し、現在、世界中にある貧困や格差などの社会問題の根源は何かということについて多方面から考える機会を得ました。これらの授業により、行政やコミュニティが格差を小さくすることに大きく貢献している事を学び、自分が考えたことがない視点から物事を見ることができてとても興味深かったです。勝手を知らない国で生きていくということは、自分が想像をしていたよりも大変でした。留学中に私はよく、留学先でできた友達と旅行に行ったり、一人旅をしたりしたのですが、行く先々でハプニングに見舞われることがありました。留学をするまで家族と暮らしていた私にとって、すべてを自分でやらなくてはならないという状況は初めてで、さらに自分が当り前だと思っていたことが当たり前でないと知った時、自分のことは自分で解決しなくてはならず、どのように問題に対処するかをその都度考える力がつきました。また異なった文化を持った友達に自分の意見や考えを共有する難しさ、そして理解してもらったときの嬉しさを身をもって体感できました。留学先での学びや経験から、行政やコミュニティに貢献ができ、さらに課題解決能力を高めることができる仕事がしたいという目標を立てることができました。

卒業後は、行政の意思決定のお手伝いができるコンサルティング会社で社会人をスタートする予定です。(2021年度卒業)

※内容は取材時点のものです。


ウィッテンバーグ大学/茅野 有紗(留学期間:2018年8月~2019年5月)

私はオハイオ州にあるWittenberg Universityに2018年8月から1年間留学しました。将来は国際協力のフィールドで働きたいと考えていたので、世界を知り、視野を広げるためにも留学するのは昔からの夢でした。授業は、戦争、政治、ジェンダーや文化人類学など様々な分野を20名以下の少人数授業で学ぶグループディスカッションを中心としたアクティブな授業だったので、学習に対する姿勢も大きく変わりました。また、ほとんどの授業でエッセイやリーディングの課題がたくさんあり、最初は授業についていくだけで精一杯でしたが、後期になるとリーディングを今までより早く理解できるようになり、エッセイでもネイティブ並みの表現で書けるようになりました。英語だけに囲まれる環境で1年間過ごすことで、英語力は自分でもわかるくらいに上達することができました。

また、語学力の向上に加えて、アメリカと日本での異なる考え方を知ることで物事を客観的に分析できるようになりました。そのきっかけは、「Gender and Poverty」という授業です。自分が今まで過ごしてきた環境や、当たり前だと感じていたことが他の地域や国では当たり前でないと分かってはいたものの、想像以上に世界の現状を知らなかったことに気づき、今まで現状を知らないで国際的な活動に携わりたいと思っていたことに恥ずかしくなりました。この授業での学びを通して、世界のジェンダーや貧困状況について今後さらに深く学ぶことを強く決意しました。

授業外の活動では、交友関係を広げ、その繫がりで様々なアクティビティーに参加しました。ダンスコンサートを学生のみで作り上げたり、現地の中学校でアジアクラブの講師としてアジア特有の文化や言語を教えたり、日本文化を大学内に広めるイベントを企画したりするなど様々なことに挑戦しました。

留学を通して、常に好奇心を持ち、積極的に行動に移したことで将来の方向性を見つけ、自信がついたのと同時に、離れていても繋がれる大切な仲間に出会うことができました。

ジャクソンビル大学 / 高橋 佑奈(留学期間:2018年8月~2019年5月)

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留学先のジャクソンビル大学では幅広い分野の科目から自分の好きな科目を学べます。私は、興味のある「フードロス」について学ぶために Sustainability に関する授業を選択し、自然環境に関する知識を習得すると同時に、少人数クラス(15~20人規模 ) のディスカッションなどで身近な環境問題について学びました。授業では、母国の日本を外からの視点で考える機会が与えられ、特に日本の膨大なクロマグロ漁獲量が地球環境に大きな影響を与えていることについて学んだ時、自分が今まで何も考えずに食べていたことが、日本の外からは大きく問題視されていたことに初めて気づきました。授業で答えの無い問題についてディスカッションを重ね、自分とは違う意見を受け止めたり、掘り下げたりすることで、発言に対する不安が減り、思考力に加えて、発想力や、対話力も身につけることができました。

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また、この授業での学びを踏まえ、地元のビーチで開催されるゴミ拾い活動にも参加しました。また、留学生が集まるInternational Student Associationという団体に所属し、様々なイベントの中の、Cultural Festival という学生たちが自身の国の文化を紹介し合う企画で、私は日本人としてソーラン節の踊りを披露したところ、たくさんの人が日本の伝統的な踊りに興味を持ってくれました。留学において「留学先で自分は何をして何を得たいのか」という明確な目標をもって失敗を恐れずに行動することが、「なりたい自分」になるために大事なことだと思いました。

※学年・内容は取材時点のものです。

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