LIFE @GLAP

PEOPLE AT GLAP

教員

Professors

リベラルアーツの学びを実践し 柔軟に学び続ける姿勢を大切にしています。

DATA

名前
大橋里見さん

MESSAGE

専門分野を教えてください。

歴史学が専門です。なかでも近世~近代(17-19世紀)のイギリス社会・文化の動向を研究しています。

先生の研究テーマを教えてください。

研究の対象は近世・近代イギリスのオークションです。フランス、ドイツなどいわゆる北西ヨーロッパのなかで、とくにイギリスでは18世紀に社会経済が大きく変化を始め、商業と消費が活発化します(Adam Smith, The Wealth of Nations, 1776の背景的時代です)。その過程に、奢侈品や文化的商品を含む各種の商品が「オークション」という売買手法を介して市場を形成するようになるのですが、私は、オークション運営、開催等の実態を多角的に探りながら、それらが変化するイギリス経済社会にとってどのような意味を持ったのかを研究しています。

自己紹介をお願いします。

子供の頃イギリスで生活したことがあり、そこでの経験が私の人生(笑)を作りました。母語以外の言語で自分の気持ちや考えをどのように、どの順番で伝えるのか、それまでの生活圏以外の場所での物事の判断の「基準・標準」とは何かなど、子供ながらまじめに考えました。自分にとってなじみの文化、言語の外に文化や言語が存在しているという事実に、図書など以外を通してふれた経験はとても新鮮でしたし重要でした。この経験をきっかけに、多くのことを自分の目でよく観察するようになり、柔軟な態度を保つ努力をするようになりました。その後歴史を研究するなかで、「過去」という、「今」とは異なる「時空」を理解することの難しさを知るようになるのですが、子供のころの外国での経験は、研究で未知のもの、理解しがたいことに出会った時などに、ずいぶん助けになっています。

GLAPの魅力について教えください。

GLAPには、多彩なバックグラウンドをもつ学生、教員スタッフがそろっています。また、プログラムの教育の要であるリベラルアーツの学びでは、専門分野の違いを受けとめ理解したうえでそれらを融合し、さらに進んだ新たな考えや視点を見出すことが求められます。さまざまな個性をもつ仲間たちと、創造的で開拓的な学びをリアルに実践する場、自分の中に新たな面や可能性を見つけることができる環境が整っていることが、GLAPの大きな魅力です。

GLAPで教えるうえで大切にしていることを教えてください。

人としてはできるだけ「素直」「正直」「柔軟」であることを心がけています。教員としては、学生が示すさまざまな新しいな考えを、いかにアカデミックなコンテクストに転換できるかを考えながら過ごしています。あえて言えば、私自身がリベラルアーツの学びを実践し続けることを大切にしています。

高校生へのメッセージや、受験・進路選びへのアドバイスを教えてください。

共通項の少ない人々と過ごすことは簡単なことではありません。なぜなら、異なる考えや見方と向き合い、違いを尊重し、まじめに理解するには大きなエネルギーが必要だからです。学びにおいても同じです。研究の目的等によって視点、論理、研究手法が異なる専門分野が共同するのは容易ではありません。けれど、対立や競争が際立ち、問題の複雑化が進む現代社会では、外側や異なるものとつながり、理解し、新たな思考を開拓することが強く求められます。そうした期待に応える一つの方法が、GLAPでの学びの軸、リベラルアーツです。それは、世界を冷静に俯瞰するさいのツールであり、一人ひとりの得意、好きな分野の壁を越えて知を融合し世の中に向き合うための、より有効な手法を模索するための土台です。専門分野の壁を越え、個性的でありながら共感力にあふれる仲間と一歩前進する方法を真剣に考えたいみなさん、広い世界で自由に活動することを目指すみなさんをお待ちしています!

教えて!

先生が実践している QOL を上げる方法を教えてください。

高価な画集を買うことができない「貧乏」学生だった頃、展覧会などに行っては美術作品などのポストカードを買って眺めていました。そうして始まったポストカード収集はすでに数十年になり、枚数もかなりの量になりました!いろいろな場所で大小様々な美術・博物館を訪ね歩いたことを思い出す時間が、私のQOL向上法です。